YNUの人事異動の時期は、4月1日、10月1日を原則としていますが、その他学長が必要と認めた場合は、随時実施されます。若手職員の場合、おおよそ2~3年の周期での異動が一般的ですが、業務の都合により、これより短い場合や長い場合もあります。毎年5月に所属長へ提出する「身上調書」には、異動希望に関する箇所もあり、必ずしも希望通りになるとは限りませんが、本人の意志表示の機会となっています。
YNUの若手職員は、異動を通じて多種多様な業務を経験していくことになりますが、将来大学の管理、運営を担うにあたり、学務系の経験は必要不可欠であることから、可能な限り学務系の業務を経験する機会を設けています。また、他大学や他機関勤務を経験することは、大学、本人双方にとって有益であることから、人事交流(出向)を経験する機会が得られるように努めています。
YNUでは職員の能力開発・育成および組織の活性化のため、人事評価制度を設けています。自己の目標・役割を明確にすることで、貢献意欲の向上・自己の成長へとつながることが期待されます。また、YNUでは職員の育成の一環として、様々な研修を実施しています。詳細は「研修」のページをご覧ください。
大学を運営していくためには、さまざまな分野における能力開発が必要です。横浜国立大学では、専門能力の高い職員を育成するために、業務系統ごとの「研修等カリキュラムマップ」を策定するとともに、「研修等体系図」を作成し、4~5年先を見据えた研修計画を企画・実施しています。
また、研修内容の充実を図るために充分な予算を確保し、職員の育成に努めています。ここでは、近年行われた研修を受講者のインタビューとともに具体的に紹介します。
階層に応じたテーマによる総合的な研修を行い、その階層に必要とされる資質・能力の向上を目指します。
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その他、国立大学協会等の外部機関が主催する若手職員向けの勉強会・研修に参加することができます。
大学の幅広い業務における専門知識の習得を図る系統別のカリキュラムマップに基づく研修や、各業務を横断する職務能力を養成するための研修が整備されています。
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職員を協定校に3~4週間派遣し、語学研修プログラムを受講させる国際交流推進研修や、日本へ留学を希望する学生を対象とした海外留学フェアー等への参加により、国際交流を担う職員を育成しています。
職員が自主的に行う意識改革などを目的としたSD活動への支援や語学力向上を支援するための外国語研修等があります。
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※所属・職名は掲載時点のもの
平成22年11月に採用後、理工学系大学院等工学府係にて学務関係業務を約3年半経験した後、平成26年7月より学務・国際部学生支援課就職支援係に配属。
中堅職員研修(前期)は、おおむね4年以上在職の職員が対象となり、人事・労務課から受講対象者の通知が来ました。
中堅職員の役割を理解し、求められる能力を身につけるためにどうしたらよいかを学びます。知識を詰め込むだけの座学研修ではなく、グループワークが多く組み込まれていたので、3日間にも渡る研修でしたが飽きることなく受講できました。また、同年代の職員が一緒に受講しますので、和気あいあいとしており、グループワークの際も本音で話しやすかったです。
中堅職員として自分に求められている役割・能力を再確認できたことで、気が引き締まりました。グループワークでは、コミュニケーションの方法や、物事の見方など、求められている能力を身につけるためのヒントがちりばめられていたので、研修で得た気づきを活かせるように、行き詰まった時などは思い返すように心がけています。また、私が受講した時は、業務の目標を研修の最後に掲げ、その後も定期的に進捗状況と目標を見つめ直す機会が与えられたため、研修の時だけでなく継続して意識を保てたことも良かったです。
採用後、学生支援課に配属され、サークル関係業務を担当。平成25年10月より総務課に異動。学内規則の改廃等を担当。
法律に関係する業務を担当していたこと、受講した内容がそのまま資格取得につながることから受講しようと思いました。
勤務時間中に週一回、2時間の座学形式の研修でした。外部に委託した研修だったので、講師の方がいらしてテキストに沿って進められていきます。毎回渡されるレジュメもあるので毎回無理しない範囲で学習をすすめることができました。受講人数は10人程度で、質問もしやすい雰囲気でした。この研修に限らず、多くの研修が勤務時間内に設定されているのは受講者にとって良い点です。
この研修のおかげでビジネス実務法務検定の3級を取得することができました。資格取得に向けて勉強する過程で様々な法律的知識を身につけることができました。非常に複雑化・高度化した社会では権利同士がぶつかり合う場面が多くなってきています。それらを解決・調整するための法律は大学の職員としても身に着けておかなければならない知識なので、この機会に知ることができ、有益でした。
大学卒業後、学習塾勤務を経て本学へ就職。学部、教務課、大学院の学務系業務を経験し、平成27年度から理工学系大学院等で勤務。社会人16年目。
日常業務の中で自分の英語能力の不足を感じていたため、また本学の国際交流に関心があったため、実践的な訓練の場として最適かと思い参加を決めました。
カナダで約1ヶ月間、協定校で語学研修プログラムを受講し、語学能力の向上を図るとともに、派遣先国における国際交流の現状について複数大学の訪問調査を行いました。全て自分の考えに基づいて行動できるので、緊張感もありますが全般的に楽しむことができました。
研修中は、よく考えよく行動しました。積極的に多数の方とコミュニケーションをとり、周囲の協力を得て、効率的なスケジュールを組み、調査を行い、報告書をまとめるなど、実務的な能力の改善に役立ちました。
教育人間科学部学務第一係を経て、現職に配属。座右の銘は「経験に勝る知識無し」
大学のグローバル競争が進むにつれて、大学職員にも外国語コミュニケーション能力が求められており、私自身も英語に関心がありましたので受講したいと思いました。研修は半年間続くのでためらいましたが、過去に英会話研修を受講した上司にも勧められたため、受講を決意しました。
講師1名と受講者4名の少数クラスで、同じクラスになった同期以外は知らない人でしたが、研修を受ける中で徐々に打ち解け、非常に楽しく研修を受けることが出来ました。研修の流れとして、前半は文化やマナー、産業などについて書かれているテキストで勉強し、後半は英語でのディスカッションやロールプレイングを行います。最初は上手く話せませんでしたが、徐々に速く英語が出てくるようになりました。
語学の勉強は、机に向かって一人でやるものだと思っておりましたが、この研修を受けることで、複数名で楽しみながら勉強をすることが出来ると気付き、語学力を伸ばすことが出来ました。また、英語は正しい発音でないと伝わらないと思っておりましたが、ネイティブである先生に対して私の日本語訛りの英語が伝わり、先生自身「インド人も中国人もなまった英語を話すのだから、伝わればいい。」と何度もおっしゃっていたので、こういった英語に対する意識の変化も、研修で学んだことの一つです。
採用後、大学院工学研究院等理工学部等設置準備事務室に配属。理工学系大学院等教務係を経て、独立行政法人日本学術振興会(JSPS)にて「国際学術交流研修」を受講、国際協力員として東京本部で1年間、ストラスブール海外研究連絡センターで1年間勤務。平成27年4月より大学へ戻り、学務・国際部国際課国際交流係に配属。7月より現職。
自身に海外経験がないまま、学生に留学を勧められるだろうかと疑問を抱いたこと、苦手な英語を克服したかったこと、学生時代に学んだフランス語を活かして仕事をしたいと思ったこと、様々な思いが重なり研修を希望しました。
東京本部での研修では、外国人特別研究員へのオリエンテーションや、世界14か国にあるJSPS同窓会業務、シンポジウムの企画・運営に携わりました。オリエンテーションの司会、JSPSプログラムや担当業務のプレゼンテーションなど、英語を使用する機会も多くありました。海外研修では、フランスだけでなく南欧の大学・研究機関を訪問して事業説明会を行ったほか、日仏の研究者とセミナーやシンポジウムを開催し、主に会計・広報などの実務を担当しました。また、研修課題として、フランスの大学関係者にインタビューやアンケートを実施し、欧州高等教育改革に関する研修報告書を執筆しました。
実務レベルでは、海外出張や国際シンポジウムの企画・運営のノウハウを学ぶことができ、現在の業務に役立っています。研修課題に取り組むことで、フランスの高等教育に関する知識を深めただけでなく、日本の大学がフランスの大学関係者からどのような評価を受けているかを知ることができました。また、日本の大学のグローバル化への取り組みやその課題と向き合うことができました。研修を終えて、いちばんの財産だと思うのは、この2年間で出会った世界中の研究者と大学職員、そして同じ研修を終えて全国の大学に戻った同期とのネットワークだと思います。
メンター制度とは、所属する部署の上司とは別に、先輩職員(メンター)が後輩(メンティー)をサポートする制度のことです。メンターは、メンティーの仕事上又は生活上の不安や悩みについて相談を受け、助言・指導することでメンティーの成長を手助けします。
本学では、平成22年度からメンター制度を取り入れ、原則として1年間、新規採用職員ひとりに若手職員をひとり、メンターとして付けています。新規採用職員は、直属の上司・先輩とは別に相談相手ができることで、必要な知識・スキル等を身につけながら、職場になじむことができます。また、メンターになることは、先輩職員にとっても成長できるよい契機となっています。
本学のメンター制度の特徴は、「緩やかなメンター制度」と「メンター・メンティー勉強会」です。
メンターが相談を受ける頻度・回数等については、特に縛りを設けず、メンター・メンティーの各ペアで自主的に活動してもらいます。
1年間、定期的に、全メンター・メンティーが参加する勉強会を、各ペアが持ち回りで企画し、実施します。勉強会の内容はもとより、定期的に全員で会うことによって人間関係も広がり、自分のメンター以外のメンターの意見等も聞くことができる良い機会になっています。
※所属・職名は掲載時点のもの
大学卒業後、航空貨物に係わる会社勤務を経て、本学へ入職。総務部人事・労務課に配属となり、職員・共済係を経験後、現職。趣味は登山、キャンプ。
同課の先輩であったため、学内の事のみならず、日常の業務面でも相談に乗っていただきました。今でも心強い存在です。
勉強会は、1組または2組のメンター・メンティーのペアが、毎回持ち回りで自由に内容を企画し、ワーキング等を実施します。これまで、自身で企画し、実施するという経験が殆ど無かったため、とても難しく感じました。しかし、各グループで企画・実施された内容は、大学に係わる問題を題材としたものから、一見業務に関係ないようなインスピレーションゲーム等まで多岐に渡っており、普段の業務とは異なることをすることでリフレッシュできました。
メンター制度を通じ、普段接点のない他部署の職員と話すことで、配属先以外の部署や学内の知識を広範に得ることができました。同時に、業務上係わることのない他部署の職員と話す機会は少ないので、メンター・メンティーが一堂に会する勉強会や飲み会等があることは、とても貴重な経験になりました。また、勉強会では幅広く学ぶことができ、多様な意見や考えを聞くことで、問題に対するアプローチの仕方やコミュニケーションの方法を学ぶことができ、とても勉強になりました。
平成27年11月より本学に採用され、現在2年目。趣味は旅行と食べること。
メンターと所属課が違うため、はじめはお話しできるか不安だったのですが、いろいろと気にかけていただき、業務以外のことでもお世話になりました。
私の代は採用人数が少なかったため、勉強会は4回という少ない機会でしたが、女子会のような和やかな雰囲気の中で行うことができ、ある意味リフレッシュにもなったのでとても楽しく学ぶことができました。私たちが担当した勉強会では、休みをテーマに取り上げ、昼休みの過ごし方やリフレッシュ方法の紹介、ライフステージに応じた休暇制度について意見交換を行いました。知っているようで、知らない制度が多くあったので、知る機会を設けることができて良かったと思います。
私のメンターは同じフロアで働いていたため、公私共にいろいろと相談させていただきました。仕事の進め方など些細なことにも相談に乗っていただき、身近に相談に乗っていただける方がいたので大変心強かったです。また、同期のメンターとも勉強会を通じてつながりを持つことができ、学内でのつながりが増えることで、業務の連絡や相談等がスムーズにできるようになり、仕事が大変しやすくなりました。
民間企業勤務を経て本学に就職。学生支援課で経済支援制度関連業務を経験した後、平成28年4月より現職。学内に住む猫とのふれあいが通勤時の楽しみです。
年度途中に採用されたため、入職直後から年度末までと勉強会が開催された翌年度1年間、それぞれ異なるメンターについていただきました。当初からお話や相談のしやすい関係で、現在でも頼りにしている身近な存在です。
メンバー全員が企画者側・参加者側両方の立場を経験できるのがメンター・メンティー勉強会の醍醐味ではないでしょうか。予め用意された通常の研修とは異なり、各回ともテーマや進行方法等、随所に企画者の個性が活かされており、毎回皆で会を作り上げていくような新鮮な感覚がありました。また、勉強会では自由な意見交換を行う機会が多く、特に日々の業務や大学の今後について語る際、議論が活発になるのが印象的でした。複数の部署を経験した先輩職員ならではの意見や同期の大学への真摯な思いなどを聞き、様々な刺激を受けました。
教育に関わる仕事は未経験だったため、入職当初は以前と異なる環境に早く慣れなければという思いもありましたが、メンターの存在に助けられ、自然と職場に馴染むことができました。また、メンターや勉強会を通して学内の様々な部署で働く方と知り合えたことで、業務上でも他部署との遣り取りがしやすくなり、仕事をより円滑に進めていくことのできる環境になったと感じます。勉強会が開催される最初の一年間だけでなく、その後も良い関係を継続・発展させていくことのできる雰囲気が本学のメンター制度の魅力のひとつだと思います。
採用後、財務部経理課に配属。100万円以上の物品・役務発注を担当しました。現在は教育学部の会計係に異動し、より教員に近いところで仕事をしています。
部署が近く、業務上連絡をよくとる関係だったことからほぼ毎日会っていました。業務連絡以外の日々の雑談の機会も頻繁にあり、良好な関係を保てたと思います。
自分のグループはファイナンシャルプランナーをゲスト講師としてお呼びし、人生の資産形成についてお話をしていただきました(子どもを育てるのにいくら必要か、老後のためにいくら備えたいか、等)。現実的なお金の話だったので少し暗い雰囲気になってしまったことが反省点ですが、社会人になりたて、働き始めたてが多い我々聴講者にとって、漠然とした将来の資産形成ということで、とても参考になる内容だったと思っています。
“メンター・メンティー勉強会のおかげ”で「日程調整ができるようになった!」とか「会議の進行ができるようになった!」といった具体的な能力が身に付いたわけではありませんが、面倒見のいい先輩がメンターとしてついていただき、業務内外問わずいつでも話しやすい関係を作ってもらえたことは大変助かりました。異動後も、たまたま同期やメンターとのやりとりが多い係にいます。気兼ねなく連絡がとれるのはメンター・メンティー勉強会等で会う機会があったからだと思います。また、メンター制度自体は採用されて1年間で終わりますが、その間に形成された関係はこれからも続くと思いますので大切にしていきたいと思います。
平成27年3月に大学卒業後、4月採用。社会科学系事務部に配属になり現在3年目。
月に1~2度、一緒に夕飯を食べに行きました。大学から程近いラーメン屋が多かったです。メンターは別の係でしたが、同じ内容の仕事をしていたので、業務の進め方や疑問などを相談していました。また、休暇簿の記入方法や休暇取得のタイミングなども教えてもらいました。
どのようなことを実施したらよいのか全く分からず企画するのが大変でした。私たちはすべてグループディスカッションでしたが、外部から人を招いて講演を依頼したこともあるようです。一番印象に残っている企画は、メンティーの仕事での悩みを匿名でディスカッションのテーマとし、メンター・メンティーで意見交換をするというものです。先輩方の経験談など今後仕事を進めるうえで役立つ知恵が多く身についたと思います。
同期の職員はもちろんですが、メンターの先輩職員の方と話す機会があるのはとても良いことだと思います。本学の若手職員はだいたい2~3年で人事異動となります。身上調書を提出する際、他部署の先輩職員との交流を経て得た情報などは自分の希望部署を考える際に役立つと思います。